■ あの頃、職場に行くのが憂うつでした
僕は社員1人、アルバイト20人ほどの飲食店で店長をしていました。
正直、職場の雰囲気は最悪でした。
忙しいピークタイムになると、ホールとキッチンで怒号が飛び交い、
誰もがピリピリしていて、新人は次々に辞めていく。
「また今日も誰かが不機嫌になるのか…」
そんなことを考えながら、出勤前にコンビニでため息をつくのが習慣になっていました。
僕は心の中でこう叫んでいました。
「なんで俺だけこんなに苦労しなきゃいけないんだ！」
■ たった一言で、僕の意識は変わった
ある日の閉店後、片付けをしていると、アルバイトの一人がこんなことをポツリと漏らしました。
「この店、誰も“ありがとう”って言わないっすよね。」
その一言に、ハッとしました。
思い返すと、忙しいときほど「早く動け！」や「なんでできないんだ！」と怒鳴るばかりで、
感謝の言葉なんて、まともに伝えた記憶がなかったんです。
「このままじゃダメだ」
そう思った僕は、翌日から小さな行動を始めました。
・どんなに忙しくても「ありがとう」を必ず伝える
・ミスを責めるより、その場でフォローする
・一日一回は「今日も助かったよ」と声をかける
最初はぎこちなかった。でも不思議と、数日経つとアルバイトたちの表情が変わり始めたんです。
「店長、お疲れ様です！」と自然に声をかけてくれるようになり、
忙しい時間帯でもお互いにフォローし合う姿が増えていきました。
結局、人間関係を変えるのに特別なスキルなんて必要なかったんです。
必要だったのは、「自分の視点を変えること」だけでした。
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